注文住宅にかかる建築費用を抑える方法!【こだわりすぎには注意】

公開日:2021/10/21   最終更新日:2022/04/20

『中古物件やマンションより高いから』という理由で、注文住宅の購入を諦めている人は多いのではないでしょうか。しかしコストを抑えることで、注文住宅でも中古物件の販売価格に近付けることができるのです。コストを抑える方法を知りたい人もいるでしょう。今回の記事では、注文住宅のや「削れるコスト」「削るべきではないコスト」などを紹介します。

注文住宅にかかる費用相場

延床面積や設備などの条件にもよりますが、一般的に注文住宅を建てると総額3,000~4,000万円程度はかかります。3,000万円台前半なら平均的な一戸建てにでき、3,000万円台後半なら使用する建材や設備、内装をグレードアップさせられるでしょう。そして4,000万円台の注文住宅なら、延床面積にもよるものの自分のこだわりを反映させられます。

建材も設備も高いものを選んだり、中庭を作るこだわりのデザインにしたり、壁や床にこだわりの加工をしたりするなど、理想を実現するには総額4,000万円台後半の予算を検討しなければなりません。反対にとくにこだわりがなかったり、建材も設備も最安値で充分と考えていたりする場合は2,000万円台で注文住宅を建てることも可能です。

つまり住環境のクオリティにこだわればこだわるほど、注文住宅を建てる総額は高くなるでしょう。最大限安くするならシンプルに最安値の建材と設備を選べばよいですが、せっかく注文住宅を建てるのだから、「コストを削るだけなのもちょっと……」と感じてしまいますよね。そこで「削れるコスト」と「削るべきではないコスト」、もしくは「削りたくないコスト」を見極めることで総額を抑えていきましょう。

広島市での注文住宅のコストについて知っておきたいこと

広島市以外にも該当する話となりますが、既に販売会社が建築した後の物件を購入する建売住宅に対して、注文住宅はオーダーメイドの家となります。注文住宅はこだわりを追求できるという点で大きなメリットを持っていますが、その反面で注意していないと建築コストがどこまでも跳ね上がってしまう危険性とも隣り合わせです。

オーダーメイドという特徴を考えた場合、こだわりがない部分の建築コストをどこまでも削るという方針も立てられますが、全体のバランスを考えるならば、あまりにコスト削減ばかりに注力すると、後で大きい痛手になってしまうことも充分にあり得ます。まずは「最優先事項を最初に決めておくこと」をおすすめします。

仮に「最もこだわりたいのが浴場」だとしたら、浴場のどの部分を死守して逆にどこならば妥協しても構わないかということを明確化するのです。たとえば浴槽にこだわって、脱衣場の照明のグレードを下げてよいならば下げるという具合と考えておくとわかりやすいでしょう。もちろん、場合によっては家族も関係してくる話となりますので、すべての希望が通るとは限りませんが、一応の案を出しておき、そのうえで予算の上限をしっかり設定してその金額は動かさないようにするとよいでしょう。

また、建設費用だけではなく、ランニングコストも考えることが大切です。どれだけ安く家を建てることができても、ランニングコストやメンテナンスコストが高くついてしまっては意味がありません。
なので、新築の注文住宅では、家を建てる費用、イニシャルコストだけではなく、維持費用を含んだトータルコストで考えることも大切です。初期費用が高くなってしまっても、税金面での優遇が受けられたり、電気代やメンテナンスコストが安く済む、ZEHや長期優良住宅なども視野にいれてみてください。

注文住宅にかかるコストを抑える方法

広さやこだわりがあればあるほど総額は高くなるので、注文住宅でコストカットしたい場合は、『コンパクト』というキーワードを基準に考えるとよいでしょう。ここでは具体的に気を付けたいポイントをいくつか紹介します。

床面積を狭くする

注文住宅のコストを抑えたいなら、延べ床面積を狭くしましょう。延床面積とは、住宅内のすべての階の面積を合計したものを指します。総数が大きければ大きいほど必要な建材も施工の手間も増えることから、基本的に費用が上がるでしょう。そのため、延床面積を狭くした方がコストカットできるのです。

家の形をシンプルにする

そして、延床面積を狭くするのとあわせて、家の形もシンプルにするとさらにコストカットできます。たとえば家の形が凸凹で中庭を設けた設計となっている、屋根にも凸凹があるようなデザイン性の強い注文住宅では、延床面積が増えやすかったり施工の手間がかかったりしてコストが上がるのです。面積も形もコンパクトにすることで、コストは削りやすくなるでしょう。

水回りや収納をコンパクトにする

コンパクトにするとコストカットできることは、水回りや収納にもいえることです。キッチン・お風呂・トイレなどの水回りを分散させて配置したり、トイレを複数設置したりすると、配管工事に手間がかかり費用が上がります。そのためワンフロアに集中させて、トイレは1つだけにするとコストカットすることが可能です。
そして食器棚やシューズクローゼットや可変棚など、収納が複数あったり複雑なデザインを取り入れたりすればするほど費用はかさみます。すべての収納は削れないですが、減らせるなら減らした方がよいでしょう。

和室を作らない

和室は、造作剤に白木などを使用することが多いです。そのため、一般的に洋室よりもコストがかかるといわれています。さらに、質の良い畳はフローリングよりも高くなる傾向にあるだけではなく、障子やふすまなどは定期的なメンテナンスも必要になります。
なので、注文住宅を建てる際、一部屋くらい和室を作りたいという方は多いですが、強く希望しないのであれば、和室をなくす選択肢もありかもしれません。また、費用を抑えながらも畳の空間が欲しいという方には、手軽な置き畳などを検討するのがおすすめです。

総2階建てにする

同じ面積でも平屋より、2階建ての方が実は割安になることが多いです。1階と2階の面積を同じにして、総2階建てにすることで、必要とする壁や建材、工程などを減らすことができる可能性があります。
また、3階建てになると構造上の難しさがあるため、別のコストが生じてしまいます。なので、最もコストを抑えることができるのは2階建てと言えます。

部屋数やドア壁を減らす

同じ面積の住宅でも、部屋数が多い家と少ない家ではコストに差が生まれます。部屋数が多いと、間仕切りやドアなどの材料費や工事費が多く発生してしまいコストは上がってしまいます
なので、部屋数を減らすことはコストダウンに繋げることが可能です。また、ひとつの部屋を2分割にすることもできるパーテーションを設置することで、ライフスタイルの変化に合わせて部屋数を変更することもできます。

費用を抑える際に削るべきではないポイントは?

注文住宅とはいえ、コストを削ることは可能です。ただし、コストを削りたいあまり削るべきではないところまで削ってしまうと、住んでいるうちに不満が発生する可能性があります。注文住宅を建てる際、コストを削るべきではないポイントは、地震対策・セキュリティ対策(外構工事)・断熱材・外壁の4つです。

地震対策

日本においては、どこで大地震が発生するかわかりません。一般的に耐震性を高めれば高めるほどコストはかかりますが、安心安全に暮らすためにも削るべきではない要素といえるでしょう。

セキュリティ対策

安心して暮らすためにはピッキングされにくい鍵、割れにくい窓などの防犯設備も必要で、塀や柵も防犯対策になります。

断熱材

外構工事もカットしない方がよいでしょう。さらに気密性の高い断熱窓を選ぶと、室内が温かく保たれやすいうえに防犯性も高く、一石二鳥というメリットもあります。
ケチって安い断熱材を使うと、冬の寒さをしのぐために暖房代がかさみ、結局ランニングコストが上がってしまいがちです。暖房の使い過ぎはお財布だけではなく体にもあまりよくないので、断熱材は削らないようにしましょう。

外壁

外壁も、安全性のためと快適に暮らすために削るべきではない部分です。一戸建ては10年周期でメンテナンスが推奨されています。外壁のコストを削ってしまうと雨漏りやシロアリ被害に遭うリスクが高まり、長期的な目線で見るとメンテナンス費用が高くついてしまう可能性があるでしょう。劣化しにくく耐久性の高い外壁を選ぶと、最初は『高い』と感じるかもしれませんが、長く住めば住むほど結果として満足できる仕上がりになる可能性があるのです。

まとめ

削れるところはとことん削り、削るべきではない部分は資金をかけることで、注文住宅にかかる総額を上手に抑えることができ、長い目で見たときにさらなるコストカットにつなげることができるのです。上手にバランスを取りながら、夢のマイホームを目指しましょう。

注文住宅を建てるまでに必要なことって?