注文住宅を建てるときに役に立つ法律の知識

公開日:2020/11/15   最終更新日:2021/10/21

広島市には注文住宅や建売住宅等の不動産を扱う会社が多く存在しており、会社毎に得意分野がさまざま違います。それぞれの違いを確認することで条件のよいところを探しやすくなるでしょう。ただし、どこを選ぶにせよ共通で知っておくべき法律の問題があるのです。

そこで今回は、広島市で注文住宅を建てる際に役立つ法律の知識をお話しします。

広島市での注文住宅建築のためには、まず建築基準法を確認しよう

広島市も含めた全国共通のポイントですが、注文住宅を依頼する場合には建築基準法についての概要を知っておく必要があります。注文住宅はオーダーメイドの物件であり、資金が許す限りはどこまでもこだわりを追求できる事が大きい魅力です。

ただし、それは建築基準法の有効範囲内に限るという事が、大前提条件と思ってください。建築基準法とは、建物の敷地や構造、用途など、建物を建築する上での基本的な事項を定めた法律」の事であり、内容を把握した上で使い勝手とバランスを取りつつ実際の建築作業に入る必要があります。

まず、建築基準法では市街化区域に建築できる建物に制限を付けています。これは都市計画法での区分になりますが、「住居用」や「商業用」、「工業用」といった形で街の中には区分が存在しており、住居に関しては工業専用区域以外どこでも建築できることが第1のチェックポイントです。

建てたい物件の特徴によって、第一種低層住居専用地域が適しているのか、第二種や第一種中高層住居専用地域の方がよいのかが変わり、選ぶべき地域も影響を受けます。この辺りにミスマッチがないことにも注意するようにしてください。

ちなみに、建築基準法というと建物の事限定のような響きもありますが、道路についても細かい詳細を規定している事も重要なポイントです。場合によってはそれを根拠とした規制や制限が掛かる事もありますので、その辺りもしっかり把握しておく事をおすすめします。

建築基準法における道路の定義について

建売住宅の時は、最初から不動産業者が問題をクリアして作っている物ですので基本的には心配不要ですが、注文住宅の場合は道路関係も建築基準法に基づいて、詳細な規定があります。

まず、建築基準法は「道路」の定義を明確に定めており、「幅員(道路の幅)が4m以上ある道」を道路と定義しています。

そして、注文住宅を建てる場合にとくに注意しなければいけないのが「接道義務」です。建物を新しく建てる場合は「建築物の敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」というルールが設定されています。もしも、この条件に当てはまらず2m以下しか接していない場合は新しい家は建てられないと思ってください。

基準が新しく設定された事の影響でもあるのですが、「リフォームはよくて、新築はNG」等、建物の種類によって規制内容は大きく変わって来ます。

次に知っておくべきポイントは、「2項道路」についてです。これは建築基準法が制定された時点で既に建物が建っており、「幅員が4m未満の道路の中で、特定行政庁が指定した物」が該当します。道路の中心線から、水平距離で2mずつ両側に後退した線が道路の境界線と定義される事がポイントで、この後退部分をセットバックといいます。

この部分は建物の敷地としての利用はNGであり、建築面積や延床面積の計算においても敷地面積には入れない事になっているのです。このような住宅に関連する規定や定義も重要なチェック項目となります。

建築基準法における建蔽率(建ぺい率)と容積率について

まず、建蔽率ですがこれは「その敷地に建てられる建築面積の割合」だと思ってください。仮に30坪の土地があったとして、建蔽率が80%と設定されているとしたら24坪までの家が作成可能になります。つまり、限界まで使ったオーダーメイドの家を作る等はできないという事です。

次に容積率ですが、これは「敷地に建てられる延べ床面積の割合」を意味します。30坪の土地で容積率100%と設定してあったならば、各フロアの床面積の合計が30坪に達する範囲で建築してよいという事になります。

この事を前提として「建蔽率80%、容積率100%で坪30」という物件について考えてみましょう。この場合、「建築面積24坪で最大床面積は30坪」の家が作成可能という事です。注文住宅を建てるとしたら、この許容範囲内ならば自分なりのこだわりを追求して構わないということになります。

この辺りの計算は、素人にはいろいろ難度が高い面も否めませんので、確実を期したい場合はやはりプロに相談する等して裏を取っておいた方が堅実です。昨今は、各種不動産会社が注文住宅関連のセミナーを開いているケースも珍しくありません。有料版と無料版でいろいろと内容がわかれたりもしますが、信用できる会社探しも兼ねていくつかのセミナーを渡り歩いてみるというのもよいでしょう。

そして、家を建てる際の契約約款においては「瑕疵担保責任」と「遅延損害金」、「天災や不可抗力による損害」と「第三者損害」を、最後に「依頼主による契約解除」の内容を必ず徹底精査するようにします。難しい内容も多くありますが、不明な部分がある場合は有耶無耶にせず業者に必ず説明してもらってください。

まとめ

注文住宅を広島市でお願いする場合には、建築基準法による建物と建物の規定をしっかり確認します。注文住宅は自由度の高いオーダーメイドの家ですが、許されるのは法律の範囲内だけです。その上で、建蔽率と容積率、そして契約約款の詳細確認を怠らなければ完璧です。

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