【後悔しない!】自然素材の家を建てるときに必要なこと前知識

「家を建てるならば、家族全員が健康で快適に暮らせる家にしたい」と考える方は多いでしょう。そういった考えを持つ方たちから注目されているのが自然素材の家です。自然素材の家とは、一般的に化学物質を含んだ素材を使わずに建てた家のことを指します。
今回は、そんな自然素材の家を建てるメリットや費用相場など、前知識として知っておきたい情報をお伝えします。自然素材の家に興味のある方や、これから建てる予定のある方はぜひチェックしてください。
自然素材の家を建てるメリット
そもそも自然素材の家を建て、そして住むことにどんなメリットがあるのでしょうか。「なんとなく体によさそう」と感じているものの、具体的なメリットはよく知らない方も多いと思います。
ここでは自然素材の家を建てるメリットについて詳しくご紹介します。
断熱効果が期待できる
断熱効果というと、最新鋭の素材を使った家をイメージしがちです。しかし意外なことに、自然素材の家は断熱効果が極めて高く、夏や冬でも室温が外の影響を受けにくい性質があります。そのため、冷暖房の使用が一般的な家屋より少なくすみ、光熱費の削減にもつながるといえます。
また、吸湿効果が期待できるため夏でもジメジメとした暑さを感じにくく、その一方で放湿性もあるため冬は乾燥せずに一定の湿度を保ち、暖かさを感じられるでしょう。
耐火性能が高い
「自然素材は火に弱く、火事が怖い」といった印象を持つ方は少なくありません。実のところ、それは全くの逆であり、自然素材の家は鉄骨で作られた家よりも耐火性が高いとされているのです。そのメカニズムは、木材にあります。太い木材は燃えると表面が炭になることで、空気を遮断できるのです。空気が遮断されると、木材の熱伝導率が2分の1から3分の1にまで低減。したがって燃焼スピードは極めて遅くなり、万が一の場合でも最小限の被害に抑えられるとされています。
家族を病気から守る
通常の住宅には多くの化学物質が使われており、それらがアレルギーやシックハウス症候群の原因となるとされています。一方で自然素材の家は、そもそも化学物質が使用されていないため、アレルギー体質の方でも安心して住むことが可能です。また前述したように、自然素材には吸湿性や放湿性があるため、カビやダニの発生を抑制する効果も期待できます。
矢野翔一
壁材として主に使用する漆喰は耐火性・耐久性、内壁材として主に使用する珪藻土は消臭・抗菌・防カビ、調湿効果が優れています。このように、それぞれの性質を活かして住環境をより良い状況に維持してくれるのが自然素材の家の魅力です。
自然素材の家の建築費用相場
自然素材の建材はやや高めの価格に設定されているため、通常の住宅よりも高くつきやすい傾向があります。しかし、支援制度や補助金を受けられることもあるため、必ずしも一般的な住宅より高くなるわけではありません。自然素材の家の建築費用についてみていきましょう。
建築費用相場
家の広さや天然素材の種類によっても費用がだいぶ異なるため、明確な費用相場は一概に言えません。ただ、従来の合成素材に比べると、1坪あたり5万円から10万円程度高いと言われています。たとえば通常の住宅で坪単価70万円である場合は、自然素材であると坪単価で75万円から80万円になるのです。40坪であれば200万円から400万円の差になります。50坪であれば、250万円から500万円の差になるわけです。
建築費用以外もチェック
家づくりのコストは建築費用だけではありません。契約時の手数料や印紙台、登記手数料に税金、そして住宅ローンの頭金や引っ越し代などもかかります。それらの諸費用については、100万円程度から場合によっては数百万円程度かかることもあります。特に住宅ローンの頭金に関しては高額化することも考えられるので、前もってローン会社に相談しておくのがおすすめです。
矢野翔一
持ち家を取得する場合は、建築コストだけでなく維持コストがどのくらいかかるのか事前に把握しておくことも大切です。その理由は、建築コストを抑えられても維持コストが高いと総コストが大きくなるためです。自然素材は維持コストが少ないものも多いため、総合的に判断することをおすすめします。
自然素材の種類と選び方のポイント
自然素材と一言で言ってもその種類は豊富です。こちらではフローリング・内装、そして浴室・キッチン、さらに断熱材の種類とその選び方をご紹介します。
フローリング・内装の種類と選び方
定番の素材とされているのがオークであり、傷つきにくい特徴があります。小さなお子さんがいるご家庭や、ペットを飼う予定のある方におすすめです。ちなみにチーク材もオークと同様の特徴があります。
ハーチに関しては、緻密な木肌で、硬いのが特徴です。衝撃吸収効果も高いので、お子さんがいるご家庭にも適しています。
浴室・キッチンの種類と選び方
定番なのがヒノキであり、湿気に圧倒的な強さを誇ります。光沢感もあり、見た目にも優れています。また、漆喰は石灰石で出来ており、強度が高いのが特徴です。消臭効果も高く、湿気の多い場所の素材として適しています。
矢野翔一
自然素材には様々な種類があります。それぞれの素材によって特徴が異なり、建築会社から提示された建物に使用する素材が希望している性質・性能を有しているとは限らないため、素材の特徴を理解した上で打ち合わせに臨むことが大切です。
断熱材の種類と選び方
近年注目されているのが炭化コルクであり、断熱機能が極めて高いです。しかし価格が高いので、コストを気にされる方にはあまり適していません。グラスウールはガラスが原料で、吸音性に優れていて劣化もしづらいのが特徴です。サーモウールもおすすめで、結露に強く脱臭効果も高いです。
矢野翔一
断熱材によって熱伝導率だけでなく、吸放湿性、遮音性なども異なってくるため、総合的に判断することが大切です。また、使用する自然素材によっては虫を寄せ付ける場合もあり、防虫処理がきちんと行われているかも確認しておきましょう。
まとめ
自然素材の家を建てるときに必要な知識をご紹介しました。自然素材を用いることによって、一般的な家よりも断熱効果や耐火効果が高い傾向にあり、健康効果まで期待できるのです。一方で、素材自体の価格が高いことから、通常の家と比較してコストが若干高くつく可能性があります。
しかし、坪単価5万円~10万円程度の差なので、光熱費の抑制効果等である程度はまかなえるはずです。自然素材の家に興味を持ちましたら、まずはハウスメーカーから資料を取り寄せてみましょう。