自然素材の家を建てるときのデメリット

公開日:2021/10/21   最終更新日:2021/12/23

近年、自然素材の家に注目が集まっており、実際に建てたという方も増えています。家族の健康や、地球環境への負担などの観点から検討されている方が多い自然素材の家ですが、デメリットがいくつか指摘されているので注意が必要です。

そこで今回は、自然素材の家を建てるときのデメリットをご紹介します。これから自然素材の家を建てようかと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者 矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。保有資格:2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士。
不動産賃貸業、学習塾の経営に携わる一方で自身の経験と保有資格の知識を活かしながら金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆に携わる。

自然素材の家の建築コストに関するデメリット

自然素材を使うことで発生するコスト面のデメリットをご紹介します。こちらを確認した上で、本当に住まいとされるのかを決定されると良いでしょう。

価格が高い

一般的な住宅との比較になりますが、自然素材の家は坪単価の建築費用が若干高い傾向にあります。1坪あたり5万円から10万円程度の価格差があると言われており少しでも安く済ませたい、と考える方には残念ながら向いていません。

ただ自然素材にも様々な種類があるため、ある程度は価格を抑えられる可能性があります。価格的に難しいとお考えの方は、ハウスメーカーと話し合われると良いでしょう。

施工に手間及び時間のコストがかかる

自然素材の家は、施工に手間や時間などのコストもかかります。自然素材を使う場合は、施工に一定のスキルが求められます。したがってベテラン作業員のいる工務店などでなければ対応できないことも少なくありません。たとえば珪藻土や漆喰を壁に使う場合は、乾燥するとひび割れなどが発生します。

特にスキルがない人が塗るとその確率は高くなるのです。そうならないためにもベテランの職人が手間と時間をかけて作業します。完成までに時間がかかることになり、少しでも早く家を建てたい、といった要望には答えられないことが多いです。そのため、自然素材の家を建てようと考えているなら、工期にも注意すると良いでしょう。

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自然素材の家の建築はどうしても建築コストが高くなりがちです。しかし、既製品にはない自然素材の良さ・価値が加わる点は大きな魅力です。住み心地の良さ・価値を求めるのか、建築コストを抑えることを優先するのか、予算を踏まえながら総合的に判断しましょう。

自然素材の家のメンテナンスに関するデメリット

自然素材の家を維持していくためには、一定のメンテナンスが必要なことも事実です。

無垢材のメンテナンスとは

フローリングによく利用される無垢材ですが、基本的に水に弱いというデメリットがあります。そのためなるべく濡らさないようにすることが大事です。ただ多くの方が考える高頻度のワックスに関しては必要ありません。通常の建材と同様に、年に1回程度で構いません。また無垢材は傷も付きますが、年々自然と風合いが変わってくるので徐々に傷が目立ちにくくなる、といった良い面もあります。

珪藻土のメンテナンスとは

主に壁材として利用される珪藻土ですが、汚れが付きやすいという特徴があります。ただ汚れが付いても消しゴムで消すことで補修できるので、メンテナンス自体はそれほど難しいわけではありません。またひび割れが発生することも珍しくありません。

その場合は、ひび割れが発生した場所に霧吹きでたっぷり水をかけ、ヘラなどで珪藻土の粉を傷やひび割れの箇所に塗りこみましょう。乾燥したらひび割れが目立たなくなっているはずです。

漆喰のメンテナンスとは

防火性に優れており、消臭効果もあるとのことで自然素材の家で多く利用されるのが漆喰です。こちらも汚れについては消しゴムで簡単に落とせます。特に専用の掃除道具は不要であり、メンテナンスとしてはそれほど難しいわけではありません。

ただ年々風合いが変わっていくので、数年後にはイメージとは異なる色合いになっている可能性はあります。

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一般的な住宅は築年数の経過とともにクロスの張り替えといった維持コストが発生します。しかし、自然素材の家は、適切なメンテナンスさえ実施していれば維持コストを抑えられるケースが多いです。建築後のメンテナンスを怠らないように気を付けましょう。

自然素材の家の建築を依頼する業者選びに関するデメリット

そもそも自然素材の家に対応している業者はそれほど多くありません。そのため「自然素材の住宅を建てたい」と思っても、依頼するメーカーが対応していないこともあります。多くの業者が対応していれば、価格比較や対応建材比較などで業者を選ぶことも可能です。しかし自然素材の家の建設の場合、限られた業者の中から選ぶことになるため、納得いった家づくりが出来ない可能性もあります。

とはいえ最近では、工期を短縮するために出来合いの建材を組み立てるだけの家もどんどん増えています。地方の中小のハウスメーカーでも対応できるケースは少なくありません。したがって自然素材の家を考えている方は、まずはいくつかの業者に相談することから始めてみることをおすすめします。すべてのハウスメーカーが自然素材の家に対応しているわけではない点は、自然素材の家のデメリットのひとつといえるでしょう。

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矢野翔一

住まいの建築は、住宅ローンを利用できると言っても、決して安い買い物ではありません。設計プランや金額面などに違いがあるため、各社の違いを事前に把握することが大切です。家づくりは基本的に一生に一度なので、複数のメーカーや業者に相談し、時間をかけながら納得いく家づくりを心がけましょう。

まとめ

自然素材の家を建てるときのデメリットをご紹介しました。高額化しやすいところや工期、そして対応ハウスメーカーに限りがある点など、デメリットとして挙げられる点があることは確かです。

しかし、自然素材特有の断熱機能による光熱費の抑制や、ハウスダストの心配がない点など、メリットも豊富にあります。メリットとデメリット、双方を把握した上で自然素材の家にするか判断しましょう。

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