ZEH住宅の価格相場と費用について解説

公開日:2021/10/21   最終更新日:2021/12/23

エコな住宅として大きな注目を集めているZEH住宅ですが、気になるのが価格相場ではないでしょうか。ZEH住宅は断熱構造や気密性などを高める必要があるため、どうしても通常の住宅よりも高くついてしまいます。

ご家庭ごとに予算もあると思うので、まずは相場を確かめその上で予算を決めることが大切です。

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この記事の監修者 矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。保有資格:2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士。
不動産賃貸業、学習塾の経営に携わる一方で自身の経験と保有資格の知識を活かしながら金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆に携わる。

ZEH住宅の坪単価の相場はどれくらい?

まずはZEH住宅の坪単価の相場をご紹介します。一般的なZEH住宅の坪単価ですが、75万円から85万円程度です。坪単価とは延床面積一坪(約3.3平方メートル)あたりの建築費のことをいうため、土地の価格は入っていません。通常の住宅の坪単価は 60万円台から70万円台とされており、ZEH住宅のほうが一1坪あたり15万円前後高いことが分かります。

たとえば40坪なら3,000万~3,600万円、50坪だと3,750万~4,250万円、60坪だと4,500万~4,900万円ほどです。70坪の場合は5,250万円から5,950万円になります。当然ですが延床面積が大きくなるほど費用も高くなります

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通常の住宅とは違い、設備や仕様にこだわらなくてはならない分、どうしても「ZEH住宅=高額な住宅」という印象を抱く方が多いと思います。しかし、快適性、省エネ性という点で優れているため、費用面だけでなく総合的に判断することをおすすめします。

ZEH住宅の建築費以外にかかる費用もチェック!

前述した坪単価は建築費であり、住宅を作るとなるとそれ以外にも様々な諸経費が発生します。ここでは建築費以外にかかるコストを解説します。

主な諸費用および諸経費の相場

住宅を購入する場合は登記費用がかかり、その価格は16万~17万円程度になります。登記には印紙代もかかり、その価格は1万5,000~2万円です。

また住宅を現金で支払える方は少数だと思うので、その場合住宅ローンが必要になるでしょう。その手続費用は25万~30万円程度かかります。

火災保険や住宅保険にも入るでしょうから、そのコストとして25万~30万円程度の予算を想定しておく必要があります。他にも、引越し費用が25万~30万円、式祭典費用が3万~5万円かかることが多いです。合計すると約100万円前後になると考えておきましょう。

住宅ローンの注意点

住宅ローンですが、組む時に保証人を求められることになります。しかし最近では保証人になってくれる人がいないケースも増えています。そこで保証料を支払うことで保証人が不要になるよう対処してくれるところも出てきました。ただ保証料を別に支払わなければならないため、そのコストも予算に大きな影響を与える可能性があります。

保証料に関しては、100万円あたりで2万5,000円が相場とされています。保証人が用意できない場合は、保証料についても前もって把握しておくことをおすすめします。

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住宅ローンは「金融機関の融資額=余裕をもって返済できる金額」ではありません。年収の25%以内に年間の返済額を抑えることが安心ラインと言われているため、その範囲内なのか確認しておくことが大切です。また、頭金を多く拠出して手持ち資金が少なくなった場合、万が一の事態に備えられないので、そのあたりも考慮しながら資金計画を立てましょう。

ZEH住宅を建設するメリット

比較的高額なコストが発生するZEH住宅ですが、実はトータルで見ると安く済む可能性が高いです。なぜなら光熱費等が安く済み、ランニングコストを圧倒的に抑えられるからです。ここでは、光熱費を始めとしたZEH住宅を建設するメリットをご紹介します。

光熱費を抑えられる

ZEH住宅は高断熱であり、省エネであり、創エネでもあります。エネルギーに関してはかなり先進的な住宅であり、住み方次第で光熱費等を大きく抑えられます。高い住宅性能はもちろんですが、高効率の設備を導入することで、自宅で使用する電力を最小限に抑えることもできます。そのうえ太陽光発電システムにより自宅で電力を作り出せるので、光熱費は一般住宅に比べると雲泥の差になることも少なくありません

家族の人数が多く、電力消費量が多くなると思われるご家族にとって、ZEH住宅導入は計り知れない効果をもたらします。

災害に強い

日本は災害大国であり、特に気をつけなければならないのが地震になります。地震によってライフラインが切断され、停電状態が長く続く、ということも少なくありません。また、地震以外にも台風などで停電が発生することもあります。

その点、ZEH住宅であれば太陽光発電システムを導入することで、停電時にも非常用コンセントを活用し発電された電気を使用できるのです。つまり災害にあっている最中も日常生活をおくれるわけです。

補助金があるため思っているよりも安く済む

価格のことをお話ししてきましたが、高いからといって断念しようとしていませんか。実はZEH住宅は国が推進しているので、補助金の対象です。条件がありますが、一戸あたり60万円から105万円の補助金が出るのです。こちらについては住宅メーカーが詳しいので、実際に見積もりを出してもらう時に質問されると良いでしょう。基本的には、補助金の出る設計をしてくれるはずです。ただ、補助金は先着制なのでご注意ください。

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矢野翔一

ZEH住宅を建築するメリットは光熱費の削減といった目に見えるものから、災害発生時に受けられる恩恵のように実際にそのような状況になってようやく分かるものなど様々です。建築してから後悔しても手遅れなので、費用面、恩恵、住宅に対する思いなどから総合的に自分に合った住宅を判断しましょう。

まとめ

ZEH住宅の価格相場とその他費用について解説しました。通常の住宅の坪単価より高いので、若干のハードルを感じるかもしれません。ただ、お話したように補助金の対象なのである程度はコストを抑えられます

さらにランニングコスト的に見ると光熱費を大きく抑えられる可能性もあるので、トータルコストで考えるとZEH住宅のほうがお得になるケースも少なくありません。少しでもZEH住宅が気になる方は、住宅会社へ相談してみてはいかがでしょうか。

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